ホスピタルアート

医療の現場を「春の日だまり」に。からだとこころを癒すアートのたたずまい。
患者の方々をはじめ、春日部市立医療センターを訪れる皆様のご満足を高めるには、施設や医療機器など機能面の充実だけではなく、情緒的な面でも安心とやすらぎを共有できる
環境づくりが大切です。そんな観点から、センター内に数多く配されたアート景観は、「春の日だまり」のように、ともすれば緊張しがちな皆様のからだとこころに温もりを灯します。
アートコンセプト

春の日だまり「患者・家族の心に寄り添うアート」「スタッフに優しいアート」「すべての人にあたたかみのある癒しのアート」


春の日だまりは人々の心を和ませ、元気を与えてくれる。
人が集い、そこで滋養を得て帰宅する。
たとえば、春日(はるひ)を求める拠点として病院を捉えてみる。

市にゆかりのある芸術家が全面協力

増村 紀一郎

アートワーク検討会議 座長
増村 紀一郎
プロフィール
1941年生まれ。漆芸家。東京藝術大学大学院修了。同大学名誉教授。紫綬褒章受章。重要無形文化財保持者(人間国宝)。2010年よりかすかべ親善大使。

「大空の景」1F エントランスホール
春の日だまりを彩る漆の風合いが、病院を訪れる方々に、優しい肌触りと自然な温もりを感じ取っていただければと願い、制作しました。

金森 良泰

アートワーク検討会議 委員
金森 良泰
プロフィール
1946年生まれ。東京藝術大学大学院壁画科修了。千葉大学教育学部教授を経て、現在は、創作活動を続ける傍ら、春日部市教育委員会委員を務める。紺綬褒章受章。

「金彩華」「銀彩華」1F エントランスホール
春爛漫の輝きで力強く謳歌することをイメージして制作しました。皆様が未来を想像して元気に歩まれることを願っています。

加藤 豊

アートワーク検討会議 委員
加藤 豊
プロフィール
1948年生まれ。72年第4回日展入選(以降76年まで連続入選)。神秘的な女性像や愛くるしい子どもの彫刻作品を作ることで知られる。日本を代表する彫刻家の一人。

「時のやすらぎ」1F エントランスホール
動物や花を愛する優しい姿が、病院にいらっしゃる方に、やすらぎのひとときを感じていただければと願っています。

センター内の各所に温もりのあるアートを展開

日本美術専門学校 次長
伊藤 正人




 利用者の精神の健康・メンタルケアーに一助できる空間造りを目指し、広場の中心線上に、現在・過去・未来の抽象彫刻3点を配置しました。

《FONTSIZE=130》「酒船石 -過去-」《/FONTSIZE》 外構 みちの広場

《FONTSIZE=130》「2:2:1 -現在-」《/FONTSIZE》 外構 みちの広場

《FONTSIZE=130》「メトロポリス -未来-」《/FONTSIZE》 外構 みちの広場

《FONTSIZE=130》「静寂閑雅」《/FONTSIZE》 2F 霊安家族控室



日本美術専門学校 教諭
金子 誠


「春日のShower」
 病院であることを忘れてしまうような空間にしたいと思い、患者様も病院自体も生命力、そして未来への希望にあふれて欲しいと願って制作しました。





「Komorebi」
 患者様やそのご家族、またスタッフの皆さんが、一時病院にいることを忘れて気持ちも安らぐよう、光の空間を感じられるように木漏れ日のイメージでデザインを考えました。







「yukidoke」
 患者様やそのご家族が優しい気持ちになれること、安心して過ごせること、そして優しい光につつまれ笑顔になって頂きたいと言う思いでデザインを構成しました。


《FONTSIZE=130》「春日のShower」《/FONTSIZE》 2F ホスピタルモール

《FONTSIZE=130》「Komorebi」《/FONTSIZE》 4~7F 病棟廊下(8ヵ所)

《FONTSIZE=130》「yukidoke」《/FONTSIZE》 2F 患者ラウンジ



日本大学芸術学部 教授
大槻 孝之




「風の門」
 作品を周りから観てもらうだけではなく自身の体で体感してもらい、それぞれ一人一人の風の形を思ったり感じてもらうきっかけとなるよう願い制作しました。

《FONTSIZE=130》「風の門」《/FONTSIZE》 外構 エントランス広場


日本工業大学生活環境デザイン学科 准教授
アートワーク検討会議 委員

勝木 祐仁

「Animals in Motion」
 子供たちが明るい気分になれること、診察待ちや入院中の時間に伴う退屈感を和らげること、診察を恐いと思う気持ちを解消すること、医師やスタッフとのコミュニケーションツールなどとして機能することを期待して構成しました。






「ぬくもりと光の壁」
 緩和ケア病棟には心安らげる場所が必要と考え、肌ざわりを感じさせほっとした気分に  なるよう、ラウンジの壁を市の木でもある「桐材」で仕上げる提案をしました。

《FONTSIZE=130》「Animals in Motion」《/FONTSIZE》 2F 小児科外来、4F 小児病棟

《FONTSIZE=130》「ぬくもりと光の壁」《/FONTSIZE》 5F 緩和ケア病棟・食堂・デイコーナー

[塗装協力]
東京藝術大学塗装造形工房 非常勤講師 青木 伸介
教育研究助手 玉川 みほの

東京藝術大学ガラス造形研究室
(代表)教授 藤原 信幸

「Herb Garden」
5F 緩和ケア病棟入口
 なかなか外出することの出来ない患者さんが、少しでも病院の外、あるいは春日部の自然を感じて貰えるようなイメージで、研究室が一丸となってあらゆる技法を使って制作しました。
 学生ひとりひとりが思いを込め制作したこの作品は、色々なところに魅力が隠れています。作品を見る時期や視点を変えると、その度に新しい見え方や発見があると思います。
「四季の光」
5F 緩和ケア病棟ドアガラス(11ヵ所)

○藤原信幸:花
 街のどこにでもある小さな自然、道端に群生しているような、柔らかい陽光を浴びた「花」をモチーフに制作しました。

○海藤博:BRIGHT BUBBLES
 海で癒され、輝く海面に希望を見る、をコンセプトに制作しました。海の底に潜って、太陽の方を見上げた時の景色をイメージしています。

○地村洋平:Light of Seasons
 四季に加え、その間の移り変わる季節も表現できたらと、季節の光をテーマに作品を制作しました。上から2番目の大きなパーツは市の花「藤」をイメージしています。

○治部亜美香

○近岡令:stream
 大地や植物、大空や水をイメージし、私たちが暮らす世界で穏やかに混ざり合い変化して いく様を制作しました。

○アンナ・ステファニアク:「花見」と「こもれび」
 デリケートな色を用いて模様を施し、春の自然をイメージして制作しました。

○栗田絵莉子:windows
 患者さんの日々の生活によりそう作品となるよう、日々の生活の中で目に入ってくる窓をテーマに制作しました。

○林佳慧:わく☆わく
 「わく☆わく」する気持ちを大切にしてほしいと願い、心が温かい様子をイメージし、制作しました。

○藤原彩葉:暖
 穏やかな日々を送っていただきながらも刺激を感じてもらい、色鮮やかな人生を過ごしていただきたいと願って制作しました。

○勝川夏樹:春の風 秋の風
 四季の中で、より過ごしやすく豊かなイメージにある春と秋の自然をテーマに制作しました。

アートギャラリーを設置しています(4階ラウンジ)

アートギャラリーを設置しています

アートギャラリーを設置しています

アートギャラリーを設置しています

 4階屋上庭園の入口前にあるラウンジでは、壁面に展示ケースを設置し、院内においても本格的な芸術作品を鑑賞できるスペースになっています。展示している芸術作品は、毎年秋に開催されている「春日部市美術展覧会(市展)」の入賞作品を定期的に展示しています。