春日部市立医療センターの手術療法の特徴
がん治療の重要な柱の一つである手術療法において、当院では患者さんへの身体的な負担をできる限り軽減しつつ、病変の切除と機能温存の両立を目指しています。外科医だけでなく、麻酔科医、手術室看護師、臨床工学技士など多職種が連携するチーム医療体制により、患者さんを総合的にサポートしながら手術に臨んでいます。
低侵襲手術(腹腔鏡・胸腔鏡手術)の推進
従来のお腹や胸を大きく切開する手術(開腹・開胸)に代わり、小さな穴を数カ所開けて小型のカメラ(内視鏡)や特殊な手術器具を挿入して行う「低侵襲手術」を積極的に取り入れています。
傷口が小さいため、開腹・開胸手術と比較して術後の痛みが軽減され、出血量も抑えやすいという特徴があります。これにより、早期離床や早期退院、ご自宅での生活への早期復帰を目指すことが可能です。胃がん、大腸がん、肺がん、腎がんなどの幅広いがん種において、高精細なモニター画像を共有しながら精密な手術の実施に努めています。

ロボット支援下手術
当院では、手術支援ロボット(ダビンチ等)を導入し、患者さんの負担が少ない低侵襲な手術の提供に努めています。
ロボット支援下手術では、術者は3Dの立体ハイビジョン画像を見ながら、多関節を持つアームをコンソールから操作します。手ぶれ補正機能も備わっており、骨盤内などの狭い空間での縫合や、神経・血管を温存する繊細な操作をサポートします。当院では前立腺がん、膀胱がん、腎がんや直腸がんなどを中心に、機能温存とがんの切除を両立する治療を目指しています。

当院のロボット支援手術(ダビンチ)の詳しい情報や対象疾患、体制については「ロボット支援手術(ダビンチ)特設ページ」をご覧ください。
対応術式と手術実績
各専門の診療科が、がんの種類、進行度(ステージ)、そして患者さんの全身状態などを総合的に評価し、開腹・開胸手術から腹腔鏡・胸腔鏡手術、ロボット支援下手術の中から、患者さんの状態に適した術式を検討・提案いたします。
主な部位別手術実績(令和7年)
集計概要
令和7年度退院症例のうち、最も医療資源を投入した傷病名が対象の悪性腫瘍であり、その腫瘍に対して実施された主たる手術の集計実績です。
胃がん
| 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) | 14件 |
|---|---|
| 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) | 13件 |
| 胃全摘術(悪性腫瘍手術) | 3件 |
| その他 | 4件 |
| 合計 | 34件 |
大腸がん(盲腸~直腸)
| 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 2件 |
|---|---|
| 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 | 30件 |
| 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術(内視鏡手術用支援機器) | 8件 |
| 腹腔鏡下直腸切除・切断術 | 15件 |
| 腹腔鏡下直腸切除・切断術(内視鏡手術用支援機器使用) | 15件 |
| その他 | 7件 |
| 合計 | 77件 |
肺がん(原発性)
| 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) | 22件 |
|---|---|
| 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) | 33件 |
| 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) | 104件 |
| その他 | 5件 |
| 合計 | 164件 |
肺がん(転移性)
| 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) | 10件 |
|---|---|
| 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) | 6件 |
| 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) | 3件 |
| その他 | 2件 |
| 合計 | 21件 |
乳がん
| 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 85件 |
|---|---|
| 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う)) | 10件 |
| 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 36件 |
| 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) | 20件 |
| 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施する) | 4件 |
| ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) | 2件 |
| その他 | 2件 |
| 合計 | 159件 |
前立腺がん
| 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) | 44件 |
|---|---|
| その他 | 2件 |
| 合計 | 46件 |
腎がん・腎盂がん・尿管がん
| 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 | 19件 |
|---|---|
| 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術支援機器) | 8件 |
| 腎(尿管)悪性腫瘍手術 | 6件 |
| その他 | 1件 |
| 合計 | 34件 |
膀胱がん
| 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術) | 133件 |
|---|---|
| 腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術 | 4件 |
| 膀胱悪性腫瘍手術 | 3件 |
| 合計 | 140件 |
手術療法に関するよくあるご質問
A. 手術の術式(開腹・開胸や腹腔鏡など)や患者さんによって異なりますが、当院では痛みを和らげるため、麻酔科医や病棟看護師と連携し、適切な鎮痛薬をきめ細かく使用しています。痛みが強い場合は我慢せずにスタッフへお伝えください。
A. 患者さんの回復状況や仕事の内容によります。腹腔鏡手術やロボット支援下手術などの低侵襲手術の場合は、比較的早期の社会復帰が可能ですが、退院後しばらくは無理のない生活を心がけてください。退院前に担当医から具体的なアドバイスをいたします。
A. 安全に手術を受けていただくため、禁煙の徹底や、術後の肺炎を防ぐための口腔ケア(歯科受診)をお願いすることがあります。担当医や看護師からの説明に沿って、体調管理をお願いいたします。

