循環器疾患の負の連鎖を断ち、
絶え間なく動き続ける心臓を守る
自己紹介をお願いいたします。
春日部市立医療センター循環器内科の渡邉和宏です。私は1991年に医学部を卒業し、駿河台日本大学病院(現在の日本大学病院)の循環器科に入局しました。昔は研修医制度がなく医師になりいきなりの入局でしたね。その後1994年に東十条病院(現在の明理会中央総合病院)、1997年に千葉県銚子市立総合病院(現在の銚子市立病院)に出向しております。2000年からは駿河台日本大学病院の救命救急センターに配属となり、およそ23年間循環器救急に従事いたしました。2023年に日本大学病院を離れ、現在の埼玉県春日部市立医療センターに循環器内科部長として配属され、2026年に循環器内科主任部長を拝命いたしました。プライベートでは妻と二人の娘がおり、好きなものは映画、酒、旅行といったところでしょうか。
循環器内科の魅力とはどういうところですか?
まず、循環器内科の領域は非常に広く、急性心筋梗塞や重症心不全、致死性の不整脈など一刻を争う緊急処置が必要な急性期疾患や、高血圧や動脈硬化疾患、慢性心不全など外来に多くいらっしゃる患者様の慢性期疾患まであります。これらの疾患群は個々に存在するわけではなく連続しており、急性期から慢性期、軽症から重症へと負の連鎖が脈々と連なっているわけです。これらをいかに断ち切っていくかが我々の使命と考えております。特に急性心筋梗塞や急性心不全、重症不整脈など、一刻を争う疾患群に対して薬剤治療からカテーテル治療、場合によってはVA-ECMO(経皮的心肺補助装置)やIABP(大動脈バルーンパンピングシステム)といった循環補助デバイスを屈指して、患者様を死の淵からなんとか救命できた時には非常に感慨深いものがあります。回復した多くの患者様やそのご家族様の笑顔を拝見した時には、疲れなど一気に吹っ飛びます。本当に医師になって良かったと思える瞬間ですね。
現在の仕事内容について教えてください。
当院は日本循環器学会、日本心血管インターベンション学会指定の研修施設であり、多くの予定患者様に対し心臓カテーテル検査や冠動脈治療を行っております。カテーテル検査は週4日、2~3名の患者様の検査・治療を行い、緊急カテーテル治療も併せると年間で300例を超えるカテーテル検査を行っています。循環器外来は連日行われ、午後にはペースメーカーや重症高血圧など特殊外来も行い、外来患者数は年間12000人を超えています。それ以外にも冠動脈CT、心臓MR、SPECT検査、心エコー検査など多くのモダリティを屈指して検査や治療を行っております。なお休祝日や平日夜間でも当科の医師は毎日順番に当直をしており、緊急の患者様に対応しております。
長く救急医療に携わってきた先生にとって当院での救急医療はどうですか?
春日部市は人口22万人であり、およそ31%が65歳以上を占めています(2026年6月現在)。他の地域と同様に高齢化が進んでおり、救急で搬送される患者様もご高齢の方が多いです。その中で当院の救急医療は年々救急車の受け入れ件数を増やしており、令和7年度は4138件と過去最多の応需になりました。しかし、できうる限り救急車を応需しているつもりですが、救急担当医が別の患者に対応中であるとか、専門医が不在であるとか、救急外来の収容スペースがいっぱいであるとかにより、お断りさせていただくこともあります。誠に心苦しいのですがご理解を頂きたいと思います。
令和8年から新たに救急時医療情報閲覧システムを導入いたします。これは救急時に意識障害等で同意取得困難な患者様に対しても、他院での薬剤情報や手術情報等の医療情報が閲覧できるもので、迅速かつ適切な検査・治療等に活用できるものと確信しております。
患者様、ご家族様へのメッセージをお願いします。
母のお腹の中にいる時から絶え間なく動き続ける心臓。そして網の目のように体中に張り巡らされた血管。血液は重要な酸素を頭の先から足の先まで届けていきます。この流れを止めてはいけない。
日本の人口は2070年には9000万人を割り込み、65歳以上は40%程度になると言われております。この超高齢化により、年々動脈硬化疾患は増え、心不全患者が連日のように入院してくる状況になるかもしれません。しかし我々は最新の知識と豊富な経験と培ってきた技術を屈指して病院一丸となって対応していきます。そして何よりも我々の医療を押し付けるのではなく、寄り添っていくような全人的な医療を目指してまいります。循環器疾患でお困りの時にはぜひお越しください。お待ちしております。
